研修に関するコラム
研修担当者は研修目的を明確に
研修当日の朝、ご担当者とお打ち合わせをしていると「職場の人間関係で問題を抱えている社員も多く是非メンタルヘルスについてもご指導頂ければと存じます」とご要望があった。このご要望に対する私の回答は「本日の研修は目標管理制度でメンタルヘルスについては承っておりませんが・・」でした。研修ご担当者は何気なくご要望を述べられたのだと思うが、講師としては正直困惑してしまいます。この事例から、研修ご担当者は、さまざまな課題を抱えていることは分かります。ただ研修当日これから受講者に提供する【当該研修の目的】は何なのかを明確にすることと、ご自身がぶれることなく方向性を明示する必要があるのではないでしょうか。
着席位置で分かる受講者の研修姿勢
100名を超えるような研修だと教室スタイルの座席配置で研修を行うことが多く、指定席ではなく来場した順番に着席して頂くことが多い。このようなケースでは会場案内係のスタッフが「前から詰めて順にお座りください」とアナウンスしているのにも関わらず後席から席が埋まり、いざ開講となると前席がガラガラで誰も座っていないようなことがある。逆にスタッフがアナウンスするまでもなく自然に規則正しく前から順に詰めて着席されることもある。このような組織構成員の行動習慣の違いから研修講師は、当該組織の組織文化を敏感に察知するものです。当然前から詰めて座る組織の方が受講態度も真摯で前向きなのはお察しの通りです。
受講前の行動で分かる受講者のレベル
研修開始時間のかなり前から着席し熱心にテキストに眼を通す受講者、ぎりぎりになって駆け込むように着席する受講者、研修時間を数分過ぎているにも関わらず余裕綽々で自席に就く受講者。研修中に私語をする受講者。断りもなく無言で退席する受講者、携帯が鳴る受講者。その場で電話を受ける受講者もいます。管理者研修、一般社員研修、現業職研修、等々、階層や職種によっても異なりますが受講者の態度姿勢はさまざまです。
徹底したリスクマネジメント
ある大手製造メーカーで720名の受講者を対象に研修を実施したときのことです。登壇したとき、私が驚いたことは、ほぼ全員がマスクをしていたことです。後ほど研修ご担当者がインフルエンザの集団感性防止のために、基本マスクの着用を義務付けていると教えてくれました。業務上の危険だけではなく、研修開催時においてもリスクマネジメントを徹底している会社の姿勢が伺えます。
忙しくて業務改善する時間がない
ある自治体で業務改善研修を実施した時のアンケートに「研修を受講して具体的な改善手法は良く理解できました」「ただ日々忙し過ぎて業務改善をする時間がありません」という記述がありました。私は研修で「改善→効率化→負荷軽減」を理解してもらうためにトヨタ社内で良く使われる「自分が楽になることを考えろ」というキーワードを板書しメッセージとして贈ったつもりなのですが残念ながら受講者には届かなかったようです。
プライベートに関するコラム
我が家に来たトイプードル
14年間飼っていた柴犬が天国に旅立ちました。そして、我が家にやって来たのはトイプードルのレモン(女の子)です。彼女は結構な芸達者で、お座り、お手、おかわり、伏せ、待て、来い、ターン、更にはウオーク・アラウンドと言うと、私の周りを小走りに一周します。犬に芸を覚えさせるためには、褒めたり叱ったりを何度も繰り返す反復的な訓練が必要です。この経験から、人材育成にも同様の共通点があると感じました。